1.もっとも身近な鳥たち
ウミネコ  チドリ目カモメ科
 最初鳥を見始めた頃、オオセグロカモメとこの鳥をどう区別していいのか分かりませんでした。やがて、目が慣れると、両者の違いは歴然としてきます。決め手はウミネコの嘴の先に赤い点があることでしょう。あと、足の色(黄色)でも判別できます。
 ウミネコにしてもオオセグロカモメにしても、その目はかわいいと言えるものではありません。むしろ怖いほどです。しかし、その力強い羽ばたきで飛ぶ姿はとても美しい鳥です。名前の根拠である鳴き声については特に書く必要もないでしょう。
オオセグロカモメ チドリ目カモメ科
 オオセグロカモメはウミネコより少し大きなカモメです。ヒッチコックの「鳥」の中で、海岸の街で人に襲いかかったのはこの鳥ではなかったでしょうか。羽先1mを超える大きな鳥で、まさに海の海賊と言った感じです。天気のいい日など、トビのように隊を組んで大空を旋回していることがあります。
キジバト ハト目ハト科
 すっかり街の鳥にもなった鳥だと思います。山鳩とも呼ばれているのですが。狩野川河口では番(つがい)でいるのをよく見かけますね。ドバトのように大きな集団は作りませんが、その集団に紛れ込んだりしています。目が赤いということを皆さんご存じでしたか? 今度見かけたら、双眼鏡で覗いて見て下さい。
桟橋の上のコサギ コサギ コウノトリ目サギ科
 コサギは白鷺の中で、一番小型のサギです。足先が黄色いのが最大の特徴ですね。チュウサギダイサギと大きさが大きくなりますが、狩野川河口ではそれらは見られません。あと、サギ類では僅かにアオサギが見られます。
 人への警戒心というよりも人への懐疑心みたいにも思えるものを持っていると感じます。眼の光彩が黄色いので、鋭い目つきに見えるからでしょうか。
 浅瀬で激しく足を動かしながら前進し、貝などを泥から出す方式の漁をよく見ることがあります。
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スズメ スズメ目ハタオリドリ科
 スズメはもっとも身近な鳥で、数としてももっとも繁栄した鳥です。スズメはお米を食べる悪い鳥という感覚があるかもしれませんが、実は虫や害虫も食べ、むしろ益鳥と言えるかもしれません。
 夏、狩野川河口で彼らの水浴びや砂浴びの姿を見かけると、思わずその仕草に顔がほころびます。求愛行動や激しい雄同士の争いなど、観察に尽きない鳥です。
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ツバメ スズメ目ツバメ科
 ツバメを見かけるようになると、夏がやってくるなと思います。大きな口を空いて飛び、飛び込む蚊などの小虫を餌にします。田の害虫を捕ってくれるというので、昔から人によって庇護されて来たのは言うまでもありません。雨風をしのぐ軒下を人が提供し、ツバメは害虫を駆除する。自然界の中で生物同士の共生をテレビなどで放映しますが、人とツバメの関係もこの共生関係に他なりません。しかし、実は他の鳥達にしても人との共生関係にあるということを考えてみる必要があるのだと思います。
 秋、狩野川河口を歩くと、ツバメの巣立ちが見られるかもしれません。もやい綱などに五六羽のツバメが固まるように止まっていて、いっこうにはばたこうとしなければ、それは巣立ちに違いありません。少し待っていると親鳥が餌を運んで来て与えるところが見られるはずです。一度見られると同じ場所で1週間ほど、同じ様子が見られます。次第に雛は飛びながら餌を親からキャッチするようになります。そしていつの間にか独り立ちしていくのです。
 ツバメより少し遅れてコシアカツバメの姿も狩野川河口で見られます。
トビ トビ ワシタカ目ワシタカ科
 トビも立派な鷲鷹(猛禽)類。狩野川河口での数は少なくないです。人がたまにパン屑を撒いたとき、どこからともなく集まって来たトビはとうとう50羽近い凄まじい集団に膨れました。あれだけ大きな鳥がそれだけ集まって餌に群がる姿は壮観です。ほとんど他の鳥にちょっかいを出すこともなく、実に穏便で紳士的な鳥だと思います。気流を掴んでどこまでも高く螺旋を描いて登っていくのを見ると、一抹の羨望を抱きます。
ドバト ハト目ハト科
 普通の鳩として説明を要しませんが、いわゆる伝書鳩として使われるのがこの鳩です。狩野川河口でも数は少なくなく、人に餌をねだったりする光景をよく見ます。鳩が集まるマンションがあり、そこでは鳩よけのネットを張っていますが、効果があるのでしょうか。基本的に集団で行動しますが、つがいで居たり、一羽だけでいるのも見かけます。集団の中にキジバトが混じり、一緒に地面に降りて餌をつついていることもあります。
おすましのハクセキレイ ハクセキレイ  スズメ目セキレイ科
 一年中居る鳥です。もちろん、皆さんの身近にもいる鳥です。警戒心のそれほど無い鳥で、車が近寄ってもなかなか飛び立とうとしなかったり、ずっと車の前を飛んだりします。
 羽虫を捕ったり、水辺の小さな虫をついばんでいます。
 「チチ、チチ」と鳴きながら飛びます。もちろん、地上に居るとき常に尾をひくひく上下に振るのが最大の特徴です。顔の白い部分がが黄色いものを見たら若鶏です。
 この他、キセキレイセグロセキレイが狩野川河口にはいます。目に黒い線があるのがハクセキレイ、黒い線があるのがセグロセキレイです。

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ハシブトガラス スズメ目カラス科
 ハシボソガラス参照。
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ハシボソガラス スズメ目カラス科
 一般にカラスと言うと嘴の大きさの特徴でハシブトガラスとハシボソガラスにわけられますが、狩野川河口では特にハシボソガラスが多数見られます。カラスは両足をそろえてのポンピング歩行を行い、スズメ目に属します。カラスは頭のいい鳥として知られ、それを証明する色々な行動が目撃されています。また、テリトリの意識が強いためか、トビなどの大型の鳥にも向かっていき攻撃をしかけます。
河口でのカラスは、カモメたちと同じように沼津港で廃棄される魚などのおこぼれにあずかっているのかもしれません。家庭ゴミをあさるカラスを見るのは希です。カラスの飛行の巧みさには時として驚かされます。特にカラス同士の空中戦は見物です。まさに組み合ったまま落下して、地上すれすれでさっとまた飛び上がる。そんなアクロバットを見ることができます。
ヒヨドリ スズメ目ヒヨドリ科
 ヒヨドリはまずうるさい鳴き声が有名です。しかし、本当は美しい鳴き方もできるのです。雑食で、夏蝉を捕獲して食べているのをよく見ることがありました。しかし蝉はすばしっこく、つかまえるのは苦労のように見えました。狩野川河口の決まった樹木に止まって盛んに鳴き、テリトリを主張している姿も見かけます。
メジロ スズメ目メジロ科
 メジロはときたま河口でその美しい鶯色の小さな姿を見かけます。11月頃からシジュウカラなどと共に香貫山で多数見られます。「ピリピリピリ」と細かく鳴きます。あまり人を怖れない鳥なのですが、常に体や首を動かすのでカメラマン泣かせです。
 この鳥は花の蜜を好みます。河口ではないのですが、春先、寒緋桜の花に群をなして集まるのを見ました。しかし、まもなく現れた花の蜜が大好きなもう一つの鳥ヒヨドリのたった一羽に追い払われてしまいました。
ムクドリ ムクドリ スズメ目ムクドリ科
 「キュロロ」とか「キュロ、キュロ」と鳴く。この鳥を飼っていたら、九官鳥のように人まねをしたという報告もあります。
 100羽、200羽の単位で夕刻など集まって、電線に止まっているのを見かけることがあります。狩野川ではこの現象は見られず、少数単位で餌をあさっています。かなり人への警戒心は強いようです。雑食性で、一度河口にすれられていたナチュラルチーズを集団でかじっているのを見たことがあります。
 一年中居る鳥だですが、河口では冬季に多く見られます。
モズ モズ スズメ目モズ科
 モズの場合、まっすぐに立った低い梢の先などに止まって地上の獲物をねらう姿がよく見られます。カワセミが水中の獲物をねらうのとどことなく仕草が似ているようにも思うのですが、どうでしょうか。
 モズは飛んだときに尾羽に白い部分があって、よく目立ちます。よく、ジョウビタキなどと一緒にいるのが見られます。どういうわけでしょうか。お互い縄張り争いで牽制しあっているのかもしれません。
 もずの「はやにえ」は河口では一度も発見したことがありません。ただ、モズがトカゲを捕らえて、枝にさしてそれを食べていたのは見たことがあります。食べやすくするため枝に刺したのでしょう。「はやにえ」が食物の保存のためという考え方がありますが、食べようとしたところを、何かの事情で中断したものも「はやにえ」になると思われます。
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ユリカモメ チドリ目カモメ科
 ユリカモメは河口ではお馴染みの鳥だと思います。年末数を増し、暖かくなるにつれ姿を消します。夏毛では頭は黒いのですが、冬毛では、頭が白くなり、目の後ろに黒斑が残ります。これがこのカモメをかわいく見せています。河口ではこの冬毛しか見ることができません。
 ユリカモメはそのかわいい顔に似合わない激しい声を出します。時として集団で飛来したとき、一羽が旋回し始めると、それにつられて他のユリカモメも興奮し、けたたましい声をあげながらもつれ合うように乱舞することがあります。この行動に何か意味があるのかわかりません。
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